極端に強調しない、美しさという選択
オリエント工業のラブドールは、基本的に自然なフォルムを重視した造形が多い。
それは単なる写実性の追求ではなく、「人が安心し、共に過ごせる存在としての美」を追い求めた結果でもある。
アニメ的な誇張や、身体的特徴を極端に強調したスタイルとは一線を画し、
控えめで穏やかな曲線を大切にする造形。
その佇まいは、視覚的な刺激よりも、心を許せる空気感を生み出す。
鑑賞する美から、共に在る美へ
芸術の世界では、ギリシャ神話のヴィーナス像をはじめ、
三美神など、人体の美を主題としたヌード表現が数多く存在してきた。
しかし、オリエント工業の造形が目指すのは、鑑賞のための美だけではない。
触れること、共に在ることを前提とした美である。
美しさと同時に求められる責任
同社の造形師・大澤氏は、美しさやリアルさだけでなく、安全性、耐久性、メンテナンス性が不可欠であると語っている。
肌に触れるものである以上、造形は作品であると同時に、責任ある製品でなければならない。
価格を超える満足度という基準
頭部造形を担当する靏久氏は、価格を超える満足度と、愛情を交わす対象としての完成度、
この二つを同時に満たさなければ、ビジネスとして成立しないと語る。
挑戦、失敗、改良を繰り返す試行錯誤の積み重ねこそが、現在の造形品質を支えている。
世界に一つだけの存在
すべてが手作業で製作されるため、微妙な色合いや表情には個体差が生まれる。
それは欠点ではなく、世界に一つだけの存在である証だ。
終わらない美の探求
近い将来、AIを搭載したアンドロイド・ドールが登場する可能性は高い。
しかし、「美とは何か」「人が寄り添いたいと感じる存在とは何か」という問いは消えない。
美の追求は、完成することがない。だからこそ、この世界は進化し続けている。
